≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「・・Nの韻を捨てる・・・?!

バカな・・・!?

この数千年、僕を支えてきた、この名前を捨てろと言うの?!

これを失ったら・・・

僕は・・一体・・どうなるんだ・・・」



ナイジェルは、2人を助けたい思いと、自分の築き上げてきた道との間で、大きく揺れた。



『ナイジェル。

あなたのその執着が・・2人を苦しめ続けます。

あなたの幸せを、心から願う2人にとって・・・

Nの韻を持つあなたは、2人の苦しみの種なのです。

そのせいで2人は、ずっと成仏出来ずにいます。』



「そんな・・・・

もし・・もしNの韻を捨てたら・・・

僕は・・どうなるの?

地界での苦しい修行に耐え・・培ったチカラは・・・

失くなってしまうの・・・?」




『怖いですか?』



「・・・・・」


ナイジェルは答えられなかった。

怖い・・という感覚とは違うと思った。

しかし、先の見えない状況に予想がつかない事が、ナイジェルを迷わせた。



『あなたは、弱い者を助けたいのではなかったの?』



「そうです。

だから、その信念のまま今までやってきました。

・・・僕は・・間違っていません・・・」


ナイジェルは、固く拳を握った。



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