≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ナイジェルは、勇気をあげて声を出した。


「・・父さま・・・母さま・・・」


その声に、父親はパッと前を見た。

母親も、手で覆っていた顔を、ゆっくりと上げた。



「サー・・・ジェル・・・?!」



母親は、ゆっくりと立ち上がった。

ナイジェルも、一歩ずつ歩み寄った。

ガイルもナイジェルへ向かって足を進めた。


どれくらいぶりの再会であろうか。

何千年の時を経てもなお、愛する者を思い抜いてきた果てしない時間が、もうすぐ終わろうとしている。

ナイジェルは足を速めた。

ガイルとサーシアもその速度を速め、ついには駆けていた。

そうして、やっと・・・

お互いの手が触れた。


その瞬間、3人の身体は眩しく光りを放った。

たった一瞬で・・・

ガイルとサーシアは、ナイジェルがどんな日々を過ごしてきたのかを知った。



「サージェル・・・サージェル・・・

ずっと、頑張っていたのね・・・

あなたの信じた世界で。

でも、あなたは気づけたのね・・・

弱い者を守ろうとする、あなたの心は間違っていない。

ただ、あなたのやり方では、またあなたと同じような人が増えるだけなの。

あなたの魂は、ずっと・・・

それと追いかけっこをしなければならない所だったわ。」



「サージェル・・・待っていたよ。

必ず戻って来ると信じていた。

おまえはやはり、私たちの息子だ。」


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