≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「父さま・・母さま・・・

僕を許してくれるの・・・?!」


ナイジェルがそう言うと、2人は顔を見合わせて笑った。



「ウフフフ・・・・

サージェル・・・

許すも何も、私たちはあなたが幸せなら・・それでいいの。

あなたが幸せでない時に、心配して、哀しむだけのこと。」


「母さま・・・」


ナイジェルは、光に包まれながら心の空っぽだった部分に、温かい物が流れ込んでくる感覚に浸っていた。

きっとこれが、幸せという物なのではないかと思った。


「サージェル、それにおまえは、もう許されている。

だからここに居るんだ。」


ガイルはそう言って笑った。


「許されている?!」


「そうよ。

あなたは許された。

この善霊界最上級霊に!

あの地上の、日村令子という女性による架け橋のおかげで・・・」



「令子・・・」



「それから、もう一つ。

お前は、自分で自分を許したのだ。

最後に選んだのは、自分だっただろう?」


ナイジェルは、優しい声に導かれ、Nの韻を捨てた事を思い出した。


「あなたは、無力な者が何も抵抗出来ずに、地上から消えていく事に怒りを覚えた。

そして、その事に対して、何も出来なかった自分さえも責め、許せずにいた。

でも、もう…あなたは乗り越えたのよ。」


サーシアも優しく語った。


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