≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「今入っては、あなたまで巻き添えになりますよ!!落ち着いて!!」
「いいから放せ・・・」
そのやりとりの横を、スッとハチは通り過ぎ、ビル入り口のガラスの自動扉を入って行った。
その姿を、山田氏は見逃していなかった。
ハチは全力で足場の悪い床を駆けていたが、途中赤い大きなカバンを口に銜えた。しっかりと銜えると一気に絵里香ちゃんの元に再び走った。
「・・?!・・ハチ?!」
山田氏がそう言った瞬間、ロビーは爆発した。
---- バアァァァァァァ・・・ン・・・
その爆風で、ガラス張りの扉は割れたが、外の山田氏と辺りの消防隊員は無事だった。
その瞬間、オレは再び霊界の時間の中にいた。
エレベーターに視線を移すと超スローな世界の中で目を疑う光景を目の当たりにしていた。
爆風とともに受付横に掲げてあったステンレスパネルの一部が、鋭利な部分をむき出しにし、絵里香ちゃんめがけて飛んできている。
「危ないっっ!!絵里香ちゃんよけて!!」
と叫んだところで、今のオレの言葉が届くはずはない。
オレは真剣に焦った。もしかするとこの後、絵里香ちゃんに最悪の事が起こったのではないかと想像するだけで、この場から意識が飛びそうになった。
「逃げるな!!オレ!!」
オレは必死に自分に言い聞かせながら、どうすればいいのか考えようとした次の瞬間、赤いバッグを銜えたままのハチが絵里香ちゃんに跳びかかった。
ちょうど絵里香ちゃんの胸の高さまで届いた瞬間、飛んできたステンレスパネルの方にハチは身体をよじった。
---- グサッッッ・・・
という音を立てたのは、ハチが銜えていた赤いバッグだった。ハチの勢いで、絵里香ちゃんはエレベーターの中にドサッと倒れ落ちた。
そのままエレベーターは、動作を止める事なく扉を閉じ、地下へと降りて行った。
「…ハチ?!」
倒れこんだ衝撃はあったものの、絵里香ちゃんに触れている感触が紛れもないハチのものだと気付き、絵里香ちゃんはただ驚いていた。
地下2階の駐車場へ到着し、エレベーターの扉が再び閉じてしまわないように、ハチが開いたドアに自分の身体を置いて開き続けていた。
「・・・やっぱりハチ・・・だよね?!どうしてここにいるの?!」
絵里香ちゃんは、約1年以上ぶりのハチとの再会に、嬉しさと戸惑いをどう表現してよいか分からない様子だった。
ハチの足元を見ると、先ほどまで銜えていた赤いバッグが床に置かれていた。本来であれば絵里香ちゃんに刺さっていたはずのステンレスパネルの破片をそのバッグと中に少しだけ残っていた署名で受け止めていた。ステンレスパネルには『祝!みんなの空港』という文字が皮肉にも書かれてあった。
「ハチ・・・助けに来てくれたんだね・・・わたしを・・・」
ハチを抱きしめながら、絵里香ちゃんはやっと涙にたどり着いていた。
「いいから放せ・・・」
そのやりとりの横を、スッとハチは通り過ぎ、ビル入り口のガラスの自動扉を入って行った。
その姿を、山田氏は見逃していなかった。
ハチは全力で足場の悪い床を駆けていたが、途中赤い大きなカバンを口に銜えた。しっかりと銜えると一気に絵里香ちゃんの元に再び走った。
「・・?!・・ハチ?!」
山田氏がそう言った瞬間、ロビーは爆発した。
---- バアァァァァァァ・・・ン・・・
その爆風で、ガラス張りの扉は割れたが、外の山田氏と辺りの消防隊員は無事だった。
その瞬間、オレは再び霊界の時間の中にいた。
エレベーターに視線を移すと超スローな世界の中で目を疑う光景を目の当たりにしていた。
爆風とともに受付横に掲げてあったステンレスパネルの一部が、鋭利な部分をむき出しにし、絵里香ちゃんめがけて飛んできている。
「危ないっっ!!絵里香ちゃんよけて!!」
と叫んだところで、今のオレの言葉が届くはずはない。
オレは真剣に焦った。もしかするとこの後、絵里香ちゃんに最悪の事が起こったのではないかと想像するだけで、この場から意識が飛びそうになった。
「逃げるな!!オレ!!」
オレは必死に自分に言い聞かせながら、どうすればいいのか考えようとした次の瞬間、赤いバッグを銜えたままのハチが絵里香ちゃんに跳びかかった。
ちょうど絵里香ちゃんの胸の高さまで届いた瞬間、飛んできたステンレスパネルの方にハチは身体をよじった。
---- グサッッッ・・・
という音を立てたのは、ハチが銜えていた赤いバッグだった。ハチの勢いで、絵里香ちゃんはエレベーターの中にドサッと倒れ落ちた。
そのままエレベーターは、動作を止める事なく扉を閉じ、地下へと降りて行った。
「…ハチ?!」
倒れこんだ衝撃はあったものの、絵里香ちゃんに触れている感触が紛れもないハチのものだと気付き、絵里香ちゃんはただ驚いていた。
地下2階の駐車場へ到着し、エレベーターの扉が再び閉じてしまわないように、ハチが開いたドアに自分の身体を置いて開き続けていた。
「・・・やっぱりハチ・・・だよね?!どうしてここにいるの?!」
絵里香ちゃんは、約1年以上ぶりのハチとの再会に、嬉しさと戸惑いをどう表現してよいか分からない様子だった。
ハチの足元を見ると、先ほどまで銜えていた赤いバッグが床に置かれていた。本来であれば絵里香ちゃんに刺さっていたはずのステンレスパネルの破片をそのバッグと中に少しだけ残っていた署名で受け止めていた。ステンレスパネルには『祝!みんなの空港』という文字が皮肉にも書かれてあった。
「ハチ・・・助けに来てくれたんだね・・・わたしを・・・」
ハチを抱きしめながら、絵里香ちゃんはやっと涙にたどり着いていた。