≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
----プルルルルルッ・・・プルルルルルッッ・・・プッ・--
「もしもしぃっ?!!奥村っ?!!奥村かっ?!!」
オレが喋り出す前に先手を打ってきたのは、相変わらずの長谷川のバカデカ声だった。
オレは自分の鼓膜を守るため、ケータイを耳から少し離した。
「あー・・ウン・・今、目ェ覚めた。」
長谷川にとってみれば、今のオレは『奇跡の人』的な存在だろう。
長谷川のテンションはいつもの3倍くらいは高い。
大気圏外の宇宙ステーションに届くかも。
「ふぇぇ・・良かったよぉー!!めっちゃ、めっちゃ、めっちゃ心配してたんだぞーーーっ!!
そっか、そっか、良かった良かったぁ・・・・」
この時何やら長谷川のバカ声の向こうから、誰かがゴチョゴチョと長谷川に話し掛けている様子が伺えた。
「・・・どーしたん?誰かいるの?」
オレが長谷川に尋ねると、長谷川はいとも簡単にその正体を明かしてくれた。
「あぁ、アスカが居るよ!・・ちょっと待って、今代わるから!ほら・・アスカ・・・」
長谷川のケータイはアスカに渡されたようだ。
「ウッス!」
アスカの短いあいさつ。
「・・ウッス・・」
オレも真似してみた。
「・・どう?・・気分は?」
「気分?!・・う~ん・・目覚めたばっかで、なんかよく分かんないかな・・」
現実、そんな感じ。
「・・体は?・・大丈夫?」
なんとなくそっけなく感じるアスカの質問・・気のせい?
「あー・・なんか・・まだ動かしにくいけど、とりあえず神経は全身繋がってるみたい。」
「・・そっか・・・なら・・良かったじゃん。」
なんだかアスカのテンションが低く感じる。