≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

----プルルルルルッ・・・プルルルルルッッ・・・プッ・--


「もしもしぃっ?!!奥村っ?!!奥村かっ?!!」


オレが喋り出す前に先手を打ってきたのは、相変わらずの長谷川のバカデカ声だった。

オレは自分の鼓膜を守るため、ケータイを耳から少し離した。



「あー・・ウン・・今、目ェ覚めた。」


長谷川にとってみれば、今のオレは『奇跡の人』的な存在だろう。

長谷川のテンションはいつもの3倍くらいは高い。

大気圏外の宇宙ステーションに届くかも。


「ふぇぇ・・良かったよぉー!!めっちゃ、めっちゃ、めっちゃ心配してたんだぞーーーっ!!

そっか、そっか、良かった良かったぁ・・・・」


この時何やら長谷川のバカ声の向こうから、誰かがゴチョゴチョと長谷川に話し掛けている様子が伺えた。


「・・・どーしたん?誰かいるの?」


オレが長谷川に尋ねると、長谷川はいとも簡単にその正体を明かしてくれた。


「あぁ、アスカが居るよ!・・ちょっと待って、今代わるから!ほら・・アスカ・・・」


長谷川のケータイはアスカに渡されたようだ。


「ウッス!」


アスカの短いあいさつ。


「・・ウッス・・」


オレも真似してみた。


「・・どう?・・気分は?」


「気分?!・・う~ん・・目覚めたばっかで、なんかよく分かんないかな・・」


現実、そんな感じ。


「・・体は?・・大丈夫?」


なんとなくそっけなく感じるアスカの質問・・気のせい?


「あー・・なんか・・まだ動かしにくいけど、とりあえず神経は全身繋がってるみたい。」


「・・そっか・・・なら・・良かったじゃん。」


なんだかアスカのテンションが低く感じる。
< 301 / 348 >

この作品をシェア

pagetop