≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「うん・・・」


「じゃ、長谷川に代わるから。」


こうしてあっけなくケータイは持ち主の長谷川に戻された。


「今何してたの?」


長谷川に戻ったケータイにオレは話かけた。


「・・・ん?あぁ、お見舞い行くとこ・・・」


----バチンッッッ!!


長谷川のケータイの向こうから、何やらかがぶたれたような音が響いた。

と、同時に長谷川から漏れる声。


「・・テッ!!」


「・・ん?!何?どうしたの?・・さっきから・・お見舞いって・・・」


「いや、あの・・もちろん・・・奥村の・・・」


長谷川のたどたどしい口調は、長谷川が正直者である象徴だ。

オレの見舞いじゃないコトは、オレでなくても皆お見通しだろう。


「貸しな・・・!」


またもや、長谷川の電話口でアスカの声。

今度はアスカが長谷川のケータイを奪い取ったらしい。


「もしもし。もう、普通に面会出来るんだよね?!」


アスカの声。


「うん・・・多分・・大丈夫。」


「とにかく・・行くからそっち。」


『行くから』・・・と言われて、断る理由も無いけれど・・・なんか様子がおかしいような・・・


「あぁ、いいよわざわざ・・・。アスカたちもヒマじゃないんだからさ。
この分だと早く退院できると思うから、そん時で・・・」


それとなく気を遣ってみた。



「もう向かってるから!じゃ!!」



----プツッ・・・ツー・・ツー・・ツー・・


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