≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「う~~~っす!!」


そう言いながら先頭で病室に入って来たのは長谷川だった。



「おぅ!」


見た目は寝たきりだけど、口だけは達者だと言わんばかりの言葉を返すオレ。


長谷川の後から、アスカは黙って入ってきた。

アスカはオレをチラッと見て、意外に元気そうな事が分かるとそのまま目を反らした・・ようだった。



「おメェ大変だったなぁ!!あんな爆発に巻き込まれてさぁ!なんであんな所に居たワケ?!!」


長谷川が相変わらずのバカ声で、目をクルクルさせながらベッドの横に置いてあった椅子に座った。

オレの母さんは、家の用事とかで今は居ない。

恐らくはいつも母さんが座っていた椅子に長谷川は座っている。

そんな事はどうでもいいんだけど、この長谷川の質問にオレはたじろいでいた。

『何故?』

と尋ねられても、これまでの経緯を全て話したところで長谷川とアスカは目が点になるだけだろう。

だったら簡潔に・・・



「たまたま・・・通りかかったら・・・流れで、なんかあんなんなった・・・」



って事でいいよね。



「たまたまねぇ・・・」



それを言ったのはアスカだった。


アスカはこっちを見ずに、少しイヤミを含んだ言い方をした。



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