≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
Eternity
「・・・・・なんで・・?」
数秒経って、ようやくオレが言葉として発することが出来たのがコレだけだった。
アスカはオレから視線を逸らすと、長谷川と向かい側に置いてあったイスにストンと座った。
オレの問いに答えてくれたのは、やはり長谷川だった。
「あの・・なんかさぁ・・樹花ちゃん・・リハビリ中に・・うっかり転倒して・・・」
「ちがうって!!テキトーなコト言ってんじゃないよ・・・そんなんじゃ・・・・
・・・そんなんじゃ樹花がカワイソウだよ・・・樹花は・・・」
アスカはこっちに顔を向けないが、声が涙ぐんでいた。
たいがいのコトに元気に応対するアスカが、こんな風に泣くなんて・・・
オレは樹花の状態をこれ以上知るのが怖くなった。
しかし、アスカの様子からオレはその内容を聞かなくてはならないのだという義務感にも駆られていた。
樹花を思うと…次の言葉が見つからない…
「樹花はアンタを探して、恐らく屋上の階段を上ったんだ。そん時誤って足滑らせて階段から落ちたんだ。」
オレを探して?!
ちょっとソレおかしくない?
「ナニ言ってんだよ、アスカ・・オレは3週間寝たきりだったんだから・・・」
「樹花も3週間寝たきりなんだよ!!」
えっ?!
なんで?・・・なんでそーなるワケ?!
「憶測なんだけど…樹花ちゃんさ、テレビで…お前がビルに入ったの見てさ…そんで、そのあと爆破あったじゃん⁈
きっとパニックになっちゃったんじゃないかって…」
あぁ…そうか。オレはあの時テレビに映っちゃってたのか…
オレは眠っていた3週間前の記憶を少しずつ呼び戻していた。