≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「ん・・・おはよぅございます・・・」


樹花の声が少し膨張気味なのをアスカは聞き逃さなかった。

少し早足で樹花に近づき、ベッドに腰掛けていた樹花の隣に座り顔を覗き込んだ。



「やーーーーーっぱりぃ!!」



樹花の泣きはらした目を見るなりアスカが言い放った。



「えへへ・・・・」



鼻と口を真っ白いタオルで抑えながら、樹花は精一杯笑ってみせた。

涙で腫れ上がった瞼で、笑うと瞳が隠れてしまうほどだった。

アスカはため息雑じりに樹花に言い放った。



「どーーせまた・・ピカちゃん・・・でしょ?!」



樹花は返事をせずに、もう一度笑ってみせた。



「あーあ、朝っぱらから泣かせるなんて・・なんて罪なオトコかねぇ~『ピカちゃん』は!!」



アスカはヒカルのところだけ皮肉たっぷりに言ってみせた。


ソレを聞くと、樹花はブンブンと頭を横に振ってみせた。



「違っ・・う・・ん・・・っ・・っ私がっ・・悪・・っい・・の・・っ・・」


「・・・樹花?」


樹花が結構しゃくり上げているのを見て、アスカはただ事ではない気がしだした。



「・・・どーした?・・悪い夢でも見た?」



アスカは半分顔を引きつらせながら樹花に尋ねた。



「・・ん・・っ・・夢っ・・なら・・いい・・んでぅ・・けど・・っね・・」



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