≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「・・・はい、オレは大丈夫です。・・・あまり間食はしないんで・・。」
と言うと、
「そう。ならいいんだけど!私、お昼食べてないからお腹ペコペコだったの。」
と言うと、またアイスコーヒーを吸い上げていた。
「ふぅ~、やっと落ち着いたわ。」
と言ったところで、やっと先生の手はテーブルの上に置かれた。
「・・・どうしたの?なんだかボーッとしてるわよ。」
いや、ボーッとというか・・・
「・・・先生でも・・・ノド乾くんですねぇ。・・・お腹もペコペコだったんですか・・・?」
日村先生は久々に目を細めて笑った。
「私だって、れっきとした人間なんですけど!ノドも乾けば、お腹も空くわよ。当然じゃない。」
「・・・で・・すよねぇ・・・。」
と、笑いつつもオレの中での日村先生の神聖さがワンランク下がったような?!そんなカンジがした。
こうして、普通に食事しているところを見ると、本当に『普通の人』だよなぁ・・・なんて、そんな改めて思う事でもないけれど、神聖化していたオレが間違っていたのか、オレの前では無邪気に神聖な仮面を脱いでくれたと喜ぶべきなのか、正直戸惑った。
なぜなら、日村先生はオレの絶対的な『先生』だからだ。
でも、だからと言って先生がオレの理想像に合わせて生きていかなきゃならないなんて決まりは無いわけだし、神聖な部分とはおおよそはオレの思い込みであるコトは間違いないなんて、あまり自分に近すぎても『先生』ってカンジじゃなくなるよなぁ・・・
などと、仕様もない思いがとめどなく流れ出てきた。