≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「ピカちゃん・・っ・・女の人にっ・・抱きつかれてた・・でぅ・」


アスカは首をかしげた。


「はぁ?・・いつ?」


「ん・・今朝・・・」



しゃくりあげた後の吐く息といっしょに樹花は答えた。



「・・じゃ、やっぱり夢のはなし?!」


アスカは眉をひそめた。


「うんん・・・今朝・・リハビリで・・歩いてて・・それで・・・」


そこで樹花は、口もとに当てていた白いタオルを顔全部に当て、またひどくしゃくり上げた。


アスカは心配になり樹花の背中をさすった。


しばらくして、再び話せる状態になったのか樹花が顔からタオルを離した。



「私・・贅沢だった・・・」


「ん・・?!」



アスカは自分の耳を樹花の顔に少しだけ近づけた。



「ピカちゃんが・・かわいそう・・」


「・・なんで?」


「こんな・・病気ばっかりの私がカノジョなんて・・・迷惑に決まってる・・・」


アスカは一旦天井を見て、樹花の方に向き直った。


「あのねぇ、樹花・・アイツは・・」


「違うの・・!!違う・・んです・・」


アスカは自分の意見を抑え、まず樹花の話を聞いてあげる事にした。



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