≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「ハハ・・ばかだなぁ、樹花は!

そんなの、アイツは樹花と居ることが幸せだから、来るんじゃん!

ナニ言ってんだか!」


アスカはおどけてみせた。

しかし、樹花はその調子に乗ってはこなかった。


「アスカさん・・・」


「うん・・・」


「私ね・・自分がこんなに醜い人間だなんて・・思ったことなかった・・・」


「当り前じゃん!樹花が醜かったらあたしなんかとっくに化け物だよ!」


「フフ・・・私・・ビックリしてるんです・・自分で・・・」


「うーん・・・そんなでもナイと思うけど・・・」


アスカは少し落ち着いてきた樹花に、内心ホッとしていた。


「ピカちゃんの事を思っているのなら、ピカちゃんの好きなようにさせてあげよう・・って・・・
そう思おうとしてたのに・・・」


「う・・ん・・」


「それがね・・・思えないんです・・・」


「まぁ・・そんな必要ないからイイんじゃない?!」


アスカは軽く言ってみせた。



「相手の女の人が・・羨ましくて・・・羨ましくて・・・

私があの人になれたら、ピカちゃんは私を見てくれるのかな・・なんて・・・

私・・・自分のコトばっかり・・・サイテーのカノジョ・・・

なんにもピカちゃんの為じゃなくて・・・自分の為じゃない!って思ったら・・・

なんだか何もかも分からなくなっちゃって、好きになるって何だろう・・・

愛してるって何だろう・・・全部・・・ただの自分勝手なんじゃないか・・って・・・」



アスカは樹花の思いを黙って聞いていた。



「・・でもね・・こんなサイテーの私でも・・やっぱり・・ピカちゃんを失いたくないんです!

サイテーだって分かってるのに・・分かってるのに・・・

アスカさん!どうしたら・・どうしたら諦められますか?!

こんなに好きな人のコト!・・どうしたら・・・」



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