≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
接点
退院したその足で、オレは樹花の病院へ向かった。
あらかじめ長谷川に樹花の病室が1Fに移ったコトを聞いていたオレは、病室を迷うことは無かった。
樹花はいろんな機材の置かれた個室に移されていた。
オレはノックもせずドアを開いた。
機材で狭苦しい病室のベッドに、樹花は一人すやすやと眠っていた。
「樹花・・・・お待たせ・・・・」
オレは樹花の前髪を撫でた。
普段こうすると、樹花はいつもオレが来たことに気づいて目を覚ましていた。
でも・・・
今回は違った。
樹花は深い所で誰かと長話でもしているかのように、オレに意識を向けてはくれない。
「樹花。」
オレは少し大きめの声で呼んでみた。
が、やはり樹花に反応はない。
オレはやきもきして樹花の両肩を持ち軽く揺すった。