≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
オレはハッとして振り向いた。
病室の入り口に立っているのは、まぎれもない日村先生だった。
「せ・・・先生・・・・」
日村先生はスッと歩いてオレの隣に立った。
「なんて顔してるの。まるでこの世の終わりみたい。」
日村先生がオレを見ているのは横目で分かってはいたが、オレは先生を見ずに樹花を見ていた。
子供っぽいかもしれないが、オレは少しだけひがんでいた。
オレが3週間も目覚めなかったというのに、日村先生は見舞いどころかメールひとつよこしただけで電話もしてくれやしなかった。
こんなコト、大人なら・・・フツーに流すのが当然だ。
オレもそうすることが当然だと分かってはいるが、今はなぜか目を合わせたくなかった。
なんだかんだ言って、オレは日村先生に甘えているのかもしれない。
それを思うと、ことさら恥ずかしくて目なんか合わせられなくなっていた。
「オレにとっては・・・
樹花がこのままだったら・・・
世界が終わるのと同じかも・・・です。」
「そっか・・・」
日村先生はそっけない返事をした。