≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
オレの記憶が、爆破当時の状況を再現していた。

絵里香ちゃんをかばうために守護霊に指導されていたハチ。

一年ぶりに会えた家族と亡くなったお母さんに守られ、絵里香ちゃんは助かった。

オレは再び、この霊的世界の凄さを思い出し身震いした。

そんなオレをチラッと見た先生と目を合わせた。

日村先生はうっすらと笑っていた。



「他の女の子たちは、今まで通りの生活に戻っているわ。」



「そうなんですね・・・」



安堵と同時にオレは目の前で眠っている樹花を見つめ黙った。
オレたちの話しが聞こえているのかいないのか、樹花は平和な顔で眠っている。


今まで通りの生活・・・


樹花にはこの先、今まで通りの生活なんて戻ってくるのだろうか・・・


そんな風に思うと、樹花が不憫でならなかった。



「てっきり、キミが連れて帰って来ると思ってたのに。」



「え?」



日村先生の突然の発言に、オレは意味が判らず聞き返してしまった。


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