≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
---行こうか
ナイジェル・・・改めアージェルにそう言われたものの、その言葉と同時にアージェルの姿は消え、オレは取り残された。
「ちょ・・ちょっと・・・どう追いて行くんだよ!?」
オレがアージェルを探そうとキョロキョロしていると、辺りのボヤッとした白っぽい景色がはっきりと映像を反射させてきた。
オレが居るその場所とは、さきほどまで居た病院だということが建物の様子からすぐに判った。
「・・・なんだ・・瞑想できたと思ったのは、オレの気のせいだったのか・・・」
そう思った矢先、オレの目の前を樹花が通り過ぎた。
リハビリしやすいようにと、パジャマではなくいつもの部屋着を着てスッと通り過ぎた。
「エッ・・・???・・・もう目覚めたってコト・・・????」
オレはワケも分からず、とにかく樹花を呼び止めようとした。
「樹花!!」
しかし、樹花はオレの声には反応しなかった。
通り過ぎた樹花の髪が、もう少しでオレの頬に触れそうなくらい至近距離であったにも拘わらず、樹花はオレを丸無視だった。