≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「いえ・・・そんなコトナイです・・・」



オレは工作が上手く仕上がらなかった子供と同じレベルで、ちょっとうつむき加減でストローでコーヒーの氷りをつついていた。



「ふ~ん。」



先生はそう言うと、口の前に待たせてあったレモンケーキの最後の一口をようやく口の中に入れた。



オレはオレでなんとかホイップを極力残さないように、コーヒーの上に小さく浮かんだホイップを細かく吸っていた。



「それじゃ、本題に入るわね。」



「ブフォッッッ!」



オレは日村先生の突然の真面目モードに、吸っていたホイップが気管に入り咽せた。


咽せた原因がタバコとかじゃなく、ホイップクリームってところは誰にも言えない。



「ゴホッ、ゴホッ」



オレは先生の言葉に頷きながらも、咳き込んでいた。



「・・・大丈夫?」



日村先生の言葉は心配そうだが、表情は半分笑っている。



うん。この場合笑ってもらった方が助かるかも・・・・



ようやくオレは、ストローでコーヒーを飲み込み咽せた喉をなんとか平常に戻した。



「・・・コフッ・・もう、だ・・大丈夫です!すみません、本題って・・・」


< 33 / 348 >

この作品をシェア

pagetop