≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「いえ・・・そんなコトナイです・・・」
オレは工作が上手く仕上がらなかった子供と同じレベルで、ちょっとうつむき加減でストローでコーヒーの氷りをつついていた。
「ふ~ん。」
先生はそう言うと、口の前に待たせてあったレモンケーキの最後の一口をようやく口の中に入れた。
オレはオレでなんとかホイップを極力残さないように、コーヒーの上に小さく浮かんだホイップを細かく吸っていた。
「それじゃ、本題に入るわね。」
「ブフォッッッ!」
オレは日村先生の突然の真面目モードに、吸っていたホイップが気管に入り咽せた。
咽せた原因がタバコとかじゃなく、ホイップクリームってところは誰にも言えない。
「ゴホッ、ゴホッ」
オレは先生の言葉に頷きながらも、咳き込んでいた。
「・・・大丈夫?」
日村先生の言葉は心配そうだが、表情は半分笑っている。
うん。この場合笑ってもらった方が助かるかも・・・・
ようやくオレは、ストローでコーヒーを飲み込み咽せた喉をなんとか平常に戻した。
「・・・コフッ・・もう、だ・・大丈夫です!すみません、本題って・・・」