≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「まぁ・・もうすぐここに人が来る。お嬢さんは元のところへ帰りなさい。」
地縛霊がそう言うと、樹花は口ごもった。
「私・・・迷っているんです・・・」
「ほうほう。若者に悩みはつきものじゃ。」
仙人のような地縛霊の言葉に、樹花は首を横に振った。
「わたし・・・どうしてここに来たのか・・・判りません。だけど・・・」
樹花の話に老人は目を細めて聞いている。
「だけどわたし・・・戻っても・・イイ事ないし・・・」
「ほうほう。」
「みんなにも・・・大切な人にも・・迷惑ばっかりかけて・・・でも・・・なにも返してあげられなくて・・・」
「ふむふむ。」
「そんなわたしが・・またみんなの所に戻ったら・・・今だって・・こうやって病院を抜け出せることが出来てるなんて・・どう来たのか判らないけど・・奇跡みたいで・・・」
樹花は、まとまりきらない頭の中をめいっぱい表現しようと努力していた。
オレは、今が樹花を呼ぶチャンスだと思い、樹花に向かって叫んだ。
「樹花ーーーーーーーーっっ!!」
かなり大声で叫んだ。
・・・つもりだったが、樹花に反応はない。
アレ?!
同じ霊体同士なのに、なんで通じないんだろう・・・
「今は聞こえないよ。これは、ただその『時』を再現しているだけだから。この場面は、すでに霊によってコントロールされているから・・・もう・・手は出せないんだ。」
アージェルの澄んだブルーの瞳が一瞬憂いを帯びたようだった。
地縛霊がそう言うと、樹花は口ごもった。
「私・・・迷っているんです・・・」
「ほうほう。若者に悩みはつきものじゃ。」
仙人のような地縛霊の言葉に、樹花は首を横に振った。
「わたし・・・どうしてここに来たのか・・・判りません。だけど・・・」
樹花の話に老人は目を細めて聞いている。
「だけどわたし・・・戻っても・・イイ事ないし・・・」
「ほうほう。」
「みんなにも・・・大切な人にも・・迷惑ばっかりかけて・・・でも・・・なにも返してあげられなくて・・・」
「ふむふむ。」
「そんなわたしが・・またみんなの所に戻ったら・・・今だって・・こうやって病院を抜け出せることが出来てるなんて・・どう来たのか判らないけど・・奇跡みたいで・・・」
樹花は、まとまりきらない頭の中をめいっぱい表現しようと努力していた。
オレは、今が樹花を呼ぶチャンスだと思い、樹花に向かって叫んだ。
「樹花ーーーーーーーーっっ!!」
かなり大声で叫んだ。
・・・つもりだったが、樹花に反応はない。
アレ?!
同じ霊体同士なのに、なんで通じないんだろう・・・
「今は聞こえないよ。これは、ただその『時』を再現しているだけだから。この場面は、すでに霊によってコントロールされているから・・・もう・・手は出せないんだ。」
アージェルの澄んだブルーの瞳が一瞬憂いを帯びたようだった。