≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「キミの知っている彼女がどこにいるのか分からないのは、キミのせいだ、ヒカル。」


「オレのせい?」


オレの心を見透かしているかのように、アージェルは言葉を続けた。


「キミは彼女を漠然としか考えたことがないんだよ。彼女の本当の気持ちと向き合ったこともない。だから、キミは『いざ』という時にこんなに沢山迷うんだ。」


確かに・・迷ってます!

でも、樹花を真剣に思うことで居場所がわかるなんて・・・思えない。



「試されているのは彼女ではない。試されているのはキミだ、ヒカル。」



「オレ?!・・・また・・」



「彼女が最後に意識をなくした時、キミは彼女に居場所を伝えたかい?」



「いや・・・でも・・・ニュースで爆発現場にオレが居たことを知って・・・」


「・・・・・」


「そうか!爆発したビルだ!!そこに行こう!!」


オレがそう言った瞬間、すでに場面は建設会社のビルの前だった。



「樹花・・・・」


オレは建物の中を捜した。

会社としては機能している様子だったが、1Fはまだまだ工事中だった。

今はそんなことよりも、樹花がどこにいるかだ。

オレは、身軽な体を行きたいところに瞬時に飛ばし、ビル内全てを見回った。

しかし、樹花の姿はそこにはなかった。



「いない・・・」



オレが先ほど以上にしょぼくれていると、またもアージェルが口を出してきた。




「ヒカル、推理だ。」



オレはシャーロックホームズじゃねぇ・・・っつうの!!

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