≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「それは、キミが自分で見つけることだ。」


じれったさが、最高潮に達した。



「はぁ・・・・」



オレから出るのはため息だけだった。



「ヒカル。彼女が一度ここに来たのは間違いない。」



突然のアージェル先生の解答。



「・・・なぜ急に教える気になったの?」



「教えたわけではない。痕跡についてくらいなら問題ない。」



この上から目線発言に、もうオレはブスくれるしかなかった。



「彼女はさっき、階段から落ちた女性、すなわち絵里香の母親の霊と守護霊がハチを導いていくところを捉えていた。ということは、その近くにはキミの4週間前の霊体も居たはずだ。」




そうか・・・アージェルとのやりとりに夢中になっていて、そのことをすっかり忘れていた・・・。



「・・てことは、そのオレを追ってきてもココに着くわけだ・・・・」



はい、振り出しに戻る・・・だけじゃん!!



「ただ、そこからが問題だ。キミ自身がキミの体にたどり着くまで3週間ものあいだ、キミの霊体は迷子になっていたのだから。おそらく彼女もここで迷ったんだ。」



アージェルは本当に樹花の居所を知らないのだろうか・・・

知ってて単にオレを試しているだけだったら、かなりの演技派だ。


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