≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「ヒカル・・・彼女はどこで待っている?」


「え?」


だからそれを、推理するんだろ?!



「彼女がいつも、『大切な人』との時間を共有するために待っている場所はどこだ?」



「・・・オレの知る限りでは・・・樹花の・・病室しか・・ない・・」



最近の樹花と過ごせるのは、どんな奴でもあの病室しかない。

オレの中に、樹花の沢山の姿が目まぐるしく現れた。

樹花の笑顔。

樹花のふくれっつら。

樹花の考える顔。

樹花の困った顔。

樹花の寝顔・・・・


以前の樹花の病室での日々がオレの霊体すべてを取り囲んでいた。

その笑顔のために休みを削り

ふくれっつらをしたらご機嫌をとるために神経をすり減らす

考える顔が面白くて思考を巡らし脳も休めず

困らせ過ぎたときは胸が傷んで

寝顔に触れると、そんなキツいはずの全てが吹っ飛んで

また何度でも

無意識に

同じことを繰り返している

飽きることなく

ただそうすることに時間を費やすことが当たり前であり

それ以上に大切なことは何もないと思う事すらしなくても

それが当然の

そんな風に過ごしたがっているオレの時間




「ヒカル・・・それが『愛』だ」



「・・・?・・愛?!」



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