≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
オレは病室の中を覗いてみた。
以前樹花が使っていたベッドには、痩せた老紳士がイライラした様子で点滴を受けていた。
「私が勝手にいなくなったから・・・もう・・・病院も・・私のこと・・キライになっちゃったんだね・・・」
「樹花・・・・」
樹花はもう一度、パッと顔をあげてオレを見た。
「ピカちゃんも・・・私のこと嫌いになった?私・・・ぜんぜんつまらないもんね。嫌われて当然だよね。家に帰ろうかとも思ったの。・・・でも・・・わたし・・みんなに謝らないと・・・謝ってから家に帰らないとって・・・でも・・誰も私の方を向いてくれなくて・・・」
「樹花!!」
オレは霊体の樹花をめいっぱい抱きしめた。
・・・つもりだった。
その瞬間、オレと樹花は真っ白い光に包まれていた。
それと同時に、久々に『温かい』という五感らしきものが働いた。
この時オレは、直感した。
『戻る』んだと。
「バカだな・・・・」
この瞬間のためなら何度すれ違っても樹花を探す。何回クロスしたってオレは、樹花を探し出す。この魂が存在する限り。
抱きしめたはずの樹花の感覚は震えるほどの幸福感でオレを満たした。
以前樹花が使っていたベッドには、痩せた老紳士がイライラした様子で点滴を受けていた。
「私が勝手にいなくなったから・・・もう・・・病院も・・私のこと・・キライになっちゃったんだね・・・」
「樹花・・・・」
樹花はもう一度、パッと顔をあげてオレを見た。
「ピカちゃんも・・・私のこと嫌いになった?私・・・ぜんぜんつまらないもんね。嫌われて当然だよね。家に帰ろうかとも思ったの。・・・でも・・・わたし・・みんなに謝らないと・・・謝ってから家に帰らないとって・・・でも・・誰も私の方を向いてくれなくて・・・」
「樹花!!」
オレは霊体の樹花をめいっぱい抱きしめた。
・・・つもりだった。
その瞬間、オレと樹花は真っ白い光に包まれていた。
それと同時に、久々に『温かい』という五感らしきものが働いた。
この時オレは、直感した。
『戻る』んだと。
「バカだな・・・・」
この瞬間のためなら何度すれ違っても樹花を探す。何回クロスしたってオレは、樹花を探し出す。この魂が存在する限り。
抱きしめたはずの樹花の感覚は震えるほどの幸福感でオレを満たした。