≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

意識界



「はっ!!」



うたた寝から一瞬にして目覚めたような感覚だった。


オレのすぐ隣の気配に目を移した。



「おかえり!」


そこには左手に数珠を持った日村先生の笑顔があった。



「スキだらけの肉体だったけど、とりあえず『無事』よ!」



そう言うと、先生には珍しく、いたずらっぽく笑ってみせた。


それはそうと・・・・




「・・樹花は?!」



オレは急いでベッドに横になっている樹花の顔を覗き込んだ。




「・・・樹花・・?!・・・」



樹花は相変わらず目を閉じている。


一緒に戻ってこられなかったんだろうか・・・



「・・・先生・・・樹花は・・・・」




「ププッ・・」



-?・・ププッ・・?!



音の出所を確認すると、樹花の口元からだった。


さらによく見ると、樹花の体が小刻みに揺れている。



「・・・は?」


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