≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
二人っきりの病室。



二人だけの時間。



どれだけこの『時』を待っただろう。



オレが正社員の報告をしたいと思い病室に行った時から・・・・



どれだけの遠回りをして、今『ここ』にオレたち二人は居るんだろう。



とても長かったような気がする。



だけど・・・



こうして、二人で居る『今』がある。




この『今』を・・・



樹花と過ごすことが出来ているという事実。



この幸福感。



オレは樹花への『愛』を全身全霊で感じていた。



「ピカちゃん・・・・」



横たわったベッドの上で、樹花がオレに左手を伸ばす。


樹花の手をそっと握り、樹花の顔を覗き込む。


樹花の大きな瞳から涙。



「泣き虫!」



樹花にぶっきらぼうにそう言ったオレの目頭も、ホントは熱かった。


泣きながら微笑む樹花の唇に顔を近づけた。



「会いたかった・・・」


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