≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
その一言を言い終えると、樹花はガバッとまっ白い掛け布団を頭までかぶった。
相変わらず、子どもっぽい仕草の樹花。
こんな側から見ればどうでもいいような、そんな無駄とも思えるような時間を共に過ごしたいと思うこと。
そんな、なんでもない時間を意味があるかのように思わせてくれる相手と一緒に居られること。
これが愛するということなら、オレは間違いなく樹花を愛してる。
この思いは誰にも渡したくないし、この為に生まれてきたのではないかと思えるくらいだ。
そんな事を考えた瞬間・・樹花の守護霊がフッとオレの前面に寄ってきた。
おぼろげな姿ではあったが、こう言った。
『この子をおねがい・・・』
オレは、心の中で守護霊に言葉を返した。
『もちろん、ずっとそのつもりです。』
このやりとりは、今は樹花にはナイショ。
二人がじいちゃん、ばあちゃんになってお茶でもすすってる時にでも、話すネタにしよう。
「樹花!」
「・・・はい・・」
さっきのセリフの照れが残っているのか、樹花は布団をかぶったまま、くぐもった声で返してきた。
「そろそろ看護師さんに連絡しようか」
樹花がそっと、布団の裾から顔を半分出してみせた。
「うん」
笑うと左の頬にえくぼが出来る
いつものそんな当たり前の風景が
今はたまらなく、愛おしい。
これからも、こんな愛し方でいいのかな・・・
これから何が待っているのかは、想像もつかないけど。
とにかく、キミと生きていっていいよね・・樹花。