≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
天使の助言
絵里香は学校を終え、真っ直ぐに家へと歩いていた。
絵里香の学校から自宅まではさほど遠くなく、いつも徒歩で登下校していた。
ブロック塀の角を曲がると、絵里香の家の黒っぽい門が見えてくる。
今日は、その少し先に女性が立っているのが見えた。
その女性は、絵里香の家の方を向いて立っている。
「・・・・?」
絵里香は怪訝に思い、歩くスピードを緩め、その女性の行動を観察しながら自宅に近づいた。
自宅に近づくにつれ、女性の姿もはっきりとしてきた。
「・・・あっ!!」
と絵里香が声を発した時には、既に相手の女性は絵里香が歩み寄るのを笑顔で見ていた。
その女性とは日村令子だった。
ひと月ほど前、父親の元部下である奥村ヒカルを通して絵里香の自宅を訪れた女性だ。
「日村先生!!」
絵里香はよく知っている知人のように、令子の元へ駆け寄った。
「こんにちわ。」
令子からの挨拶に絵里香は嬉しそうに笑った。
「こんにちわ!」
ミ~ン…ミン、ミン、ミン、ミ~ン・・・・
蝉の声が一斉にうるさくなった。
だが絵里香の制服ごと汗ばんだ感じと違い、令子は涼しげな表情でいる様だ。