≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「でも…でも…日村先生なら分かってくれるよ!優しいし、ナイジェルの事だって信じてくれてるし。」
少年はフッと笑った。
「絵里香…よく考えてみて、守護霊が弱ってるって彼女言ってたよね。キミを守護しているのはまぎれもない僕だよ。この僕のどこが弱っているのさ。」
「ナイジェルとは別って・・・先生言ってたけど・・・」
「はったりだよ。じゃぁ、キミの守護霊とやらが一度でも僕のように姿を現して、キミを助けてくれたかい?」
「・・・それは・・・ないけど・・・」
「ほらね、彼女も他のインチキ霊能力者と同じなのさ。自分の思い込みだけで人を揺さぶって、真実をねじ曲げようとしている。」
絵里香は黙り込んだ。
「絵里香、キミにとっての真実ってなんだい?今、現実に目の前でキミと会話をしている僕自身が存在している………この事以外にどんな真実をキミは知っているんだい?」
少年の言葉に絵里香の反論する余地は一寸もなかった。
「そう・・・だよね・・・」
絵里香の言葉を聞き、少年はニッコリと笑った。
「じゃぁ、今夜もキミのお父さんが帰ってきたら、また『あの事』を話し合うんだよ。全てを救う為だ。それと、何度も言うけど僕の名前は誰にも教えてはダメだよ。いいね。」
「うん、分かってる。名前を教えると消えてしまうんでしょう?」
「そうだよ。キミには僕が必要だろう?」
「うん、絶対に言わないから安心して。」
少年はにっこりと笑うと、スッと姿を消した。