≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ガチャガチャッ…


玄関のカギを開ける音が聞こえた。



『パパだ!』



すでに夕飯の準備を、今は亡き母の代わりに済ませていた絵里香はソファーから飛び跳ね、玄関へ父親を出迎えに行った。


パタパタパタパタ…


「おかえりなさーい」



「あぁ、ただいま」



変わらず元気そうな娘の姿を見て、山田は微笑んだ。



「お仕事お疲れ様!暑かったでしょ、ビール冷えてるよ!」



「おぉ、いつも有り難う。助かるよ。お前は母さんに似て気が利くなぁ。」



「うん!じゃぁ、ご飯準備するね。今日は冷やし中華だよ!」



山田は窮屈だったネクタイをやっとほどいていた。



「あー、それは楽しみだ。じゃぁ、先にシャワーにするから先に食べてなさい。」



「パパはシャワー早いから、晩ご飯準備してたら結局食べるの一緒になる!って。」



「そうだな」



そう言って、山田は浴室へ向かった。



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