≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「ふぅーー、さっぱりした。」


案の定、絵里香が食卓に食事を並べ終えたのと同時に、山田はシャワーを終えて、ダイニングに入ってきた。



「パパ、ピッタリだったよ!ご飯の準備が出来たのとタイミングが!!」



「そうか」



明るい娘との、屈託のない会話に山田は機嫌を良くしていた。



「はい、パパ…」



絵里香が瓶ビールを手に取り、山田のグラスに注ごうとしていた。



「おぉ、サンキュー」



ビールを注ぎかけたグラスを山田は取り、ビールが注ぎやすいようにグラスを傾けた。



ビールをゆっくり注ぎながら、絵里香は山田に話しかけた。



「パパ・・・」



「ん?」



「あのね・・・昨日も話したんだけど・・・・」




絵里香の言葉を聞き、山田の表情は曇った。




「絵里香、その話しはもうおしまいにしてくれ!子供が口を挟む事ではないんだ。」




絵里香はビールを注ぎ終え、瓶をテーブルの上に置いた。




「でも…でも…あの土地を売ってしまったら、また自然が無くなっちゃうよ。私、これ以上地球の悲鳴を聞きたくないよ。」




「もう・・・決まった事なんだ。あの土地を売って空港建設が進めば、たくさんの人たちが潤い、経済も発展するんだ。

自分たちのわがままだけで通せる問題じゃないんだよ。

しかも、空港建設にはパパの会社が今回関わる事になったんだ。

それも、パパがたまたまあの土地を持っていたから話しがパパの会社にきたんだ。

他の人はどうあれ、パパは会社のためにも、あの土地を売らなければならないんだよ。」


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