≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
オレは特に気にせず、そのままエレベーターに乗り込もうとした。
「・・ヒ・・カル・・・?!」
オレはその呼びかけに、エレベーターに入れかけた足を戻し、声のした方を振り返った。
オレは・・・心臓が止まりそうになった。
おまけに鳥肌も立った。
オレを呼び止めた相手は、ハルだった。
7年前のポニーテールなんかじゃ勿論ない。
髪は上品な栗色に染めてあり、ゆるくカールがかかっている。
メイクもうっすらしてあり、唇はグロスとやらでピカピカしていた。
手には、有名ブランドのバッグを持って、清楚な白いワンピースに夏用の白い上着を羽織っていた。
ただ・・・
本当にハルは・・・
綺麗になっていた・・・・
「・・・ハ・・ル・・?」
オレは、数秒間ハルと見つめ合った後、ようやくハルの名を呼ぶ事が出来た。
オレの声を聞くと、ハルはニッコリと笑った。
「・・・お見舞い?」
ハルにそう尋ねられ、ふと樹花の事を思い出した。
「・・あっ、あぁ・・・そー・・なんだ・・お見舞い。」
オレはそう答えながらも、またハルの守護霊からどやされるのではないかと、ビクビクしていた。
「そう…。誰?おばさん?」
「い・・いや、友達!あー、同じ職場の・・・同僚ってやつ・・」
・・・とっさに、オレはなぜかウソをついてしまっていた。