≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

「へぇ・・・そーなんだ・・・」



ハルは、そう答えながら視線を床の方に移した。



「ハ・・ハルは?・・・なんでここに・・?」



ハルは視線を下に向けたまま答えた。



「う・・・ん。・・お母さんがね、入院したんだ。」



「えっっ!?・・おばさんが?」



坂本の事故の時、随分お世話になった。


そして勿論・・・


今目の前に立っているハルの事でも、オレはおばさんに、相当気苦労をかけたに違いない。


オレがハルと別れた時、ハルの側でハルと一緒に苦しい時を乗り越えてくれたであろう人。


ハルの一番の味方であり、支えである人。


その人が・・・入院。



「あっ・・・でも、気にしないで!もうすぐ退院だから。」



明るく笑うハル。



7年前なら、このハルの笑顔を鵜呑みにして、


『なんだ、よかったな』


なんて、言っていたかもしれない。



でも、今のオレには、このハルの笑顔がニセモノだと分かった。

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