≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「オレ、ちょっとノド乾いてて・・・・外、暑かったし・・・ちょっと、自販機に行くけど、・・・ハルは・・・ノド乾いてない?」


ハルは病院の入り口付近にある自販機をチラッと見た。



「あ~・・・私はいい。」



と、ハルの一言。


ハハ・・・あえなく撃沈。



「私、ノド乾いてるっていうより、今すごくお腹空いてて・・・・ヒカルが今からお見舞いじゃなければ、ご飯でも誘ったんだけど・・・また・・・・」



マジで?!



「オ・・オレも!!実はオレも腹ペコペコなんだ。じゃ、なんか食べ行こうか?」


オレはいつからこんな軟派な男になりさがったんだ!


いや、軟派じゃない!


知り合いだからいいんだ!


オレは自分に言い聞かせた。



「えっ・・・、でも・・お見舞いは?」



ハルは大きな丸い目を見開いてオレを見つめた。


目を見開いてパチパチすると、ハルのまつげの長さが一層強調された。



「あぁ・・・実は、今朝・・・もうお見舞い行ったんだ・・・。その時ちょっと忘れ物したから、それ取りに来ただけだし。それに、別にソレ急ぎってワケでもないし・・・。」



・・・なんでオレはここまでウソつく必要があるんだ!?


自分でも不思議に思いながら、オレはハルと並んで病院の出口へと歩いて行っていた。


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