≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「ん?…っと、ヴィーナス!」
「そう!正解。よく覚えてたね~」
ハルは、もうポニーテールではなかったが、あの頃と何も変わっていないかのようにオレの横ではしゃいでいた。
「それくらい、忘れる方がヤバイよ・・・」
オレも、どんどん7年前のハルとの距離感を取り戻しつつあった。
「そぉ?男の人って星の名前とか、あまり興味ない人多いじゃない?!」
・・男の人・・・
昔は『男子』って言ってたよな・・・
ハルから聞く『男の人』の響きは、オレが少し大人になったのだと自覚させた。
「興味云々っていうより、英単語のテストみたいにスッと出てきただけだよ。フツーに!」
オレは7年前のオレのように、ぶっきらぼうを装った。
あの頃の自分が好きだったというワケではないが、ハルと居るとそういう振る舞いがオレにはラクだった。
「へぇ~、スゴイね。ヒカル記憶力良かったもんね!今も健在なんだね。」
無論、記憶力は普通程度だが褒められると素直にうれしかった。
「ハルはお世辞が上手くなったな~」
ちょっと上機嫌で返す。
「ヘヘ、バレた?」
少し舌を出し、いたずらっぽくオレの2,3歩先に小走りして振り返る・・・
そんな、学生服だった頃のオレたちの思い出が、まぶしく被っていく。
大好きだったハル。