≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「・・・て、ゆーか・・・長くない?」



「・・・ん?」



ハルの大きな目がコチラを覗き込む。



「信号・・・」


オレは、ハルを通り越してすぐ左側にある支柱を覗き込んだ。


ハルもそれにつられて自分の左側を見た。



「・・やっぱり!」



「・・これ、押しボタン式信号だったんだね・・・」



ハルは少し小声で呟きながら、手を伸ばすとすぐ届く位置にある信号の歩行者用ボタンを押した。


ハルがボタンを押すと、車用の3つ目の信号がすぐ黄色になり、オレたちが横断するための信号機もスグ青に変わった。



「ごめんね。」



今度は、オレの一歩後ろを歩きながら呟くハル。



「別にいいってこれくらい。普段運動不足だから丁度よかったかも!」



「・・・・・」



ハルは小声で何か言ったが、あまりに声が小さくて聞き取れなかった。



「えっっ?」



オレが聞き返すと、



「・・アリガト!って言ったの。」



と、笑った。

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