≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

オレがパクパク食べ出したのを確認すると、ハルもプレートのパスタをフォークでクルクルと巻きだした。


オレはひたすら食べる事に集中しているフリをした。


もう少し間が空けば、


『ところでさぁ』


なんて、違う話しに逃げられそうだったからだ。


しかし、


その『ところで』を先に使ったのはハルだった。



ハルは先程フォークに巻き付けたパスタをしばらく噛んでのみ込むと、



「ところで・・・ヒカル、今仕事何してるの?」



と、とてもセーフな質問をしてきた。



「あ・・・ホレ、ホレヲホレヒヒファイフォフォフォフェファ!」



オレの言葉が突然、未知の原住民のような話し方になったのは、


アツアツのハンバーグを口いっぱいに入れてしまったばかりだったからだ。



「・・・今の・・・聞き取れなかった。」



ハルの冷たい反応は、当然だと思う。


でもハルは、それでも笑っている。


オレはやっとの思いでハンバーグをのみ込んで、



「オレも仕事何かしてるのか、ハルに聞きたいと思ってた・・って言ったんだ」


と、先程の通訳をする事が出来た。


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