≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「そーなんだ!良かったね!おめでとう!」


オレが今日、待ちに待っていた言葉をハルが言ってくれた。


樹花に対して罪悪感を持ちながら


反面・・・


オレの気持ちは、空っぽだったコップに水が注がれたように潤った。


ようやく、今日、初めて心からの笑顔を作ることが出来た。


大人になった・・・ハルの・・・おかげだ・・・



「うん・・・ありがと・・・」



そうハニカミながら、オレはハルを見つめた。


そうしてハルも、満面の笑みを浮かべ、オレを見つめ返してくれた。



ちょっと照れくさくなって窓の外に視線を移すと、先程ハルがしきりに語っていた一番星が、真っ先に目に入った。



一番星


アフロディーテ・・・


戦争と愛と美の女神。



オレの荒れた心を治め、その美しさと優しい言葉でオレの心を和らげてくれたハル。


今、おだやかなオレの心の空に輝く小さな一番星・・・


アフロディーテは、まさに目の前のハルそのものだと思った。



でもまだその時は、



その小さな光が、次第にオレの心を新たな戦争へと導いている事など、



思いもしなかったのだ。
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