≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「いいよ!コレくらい。」



オレはハルを見ずに、少しキザなカンジで店員から釣り銭を受け取った。



「・・・ほんとに?」



オレの本心を確認するかのように、オレの顔を覗き込むハル。



「ほんとに!」



オレは、今度はハルの顔を見てニッと笑った。


それを確認すると、ハルもニッコリ笑った。



「・・じゃ、アリガト!貸しといてあげる。」


「は?!ソレ逆でしょ!」



プッッッ・・・オレたちは、また笑いながらファミレスを出た。



店の出入口で、お互いバイバイを言った。



「じゃぁ、また・・・カレシと上手くやれよ!」


「カレシ?!何の話し?」


「えっ・・だって、さっき・・・」


「私、同棲してるって言ったけど、カレシだなんて言ってませんよー!同棲してるのは愛犬のイチ君でしたぁ~!!じゃぁねぇ~!!」



とだけ言い残して駆け足でハルは去っていった。



「はぁ?!・・・なんじゃそりゃ!!」



ハルの背中が見えなくなってから、左手の腕時計を確認した。



「あっっ、ヤバ・・・・面会時間過ぎてる・・・」



オレは、樹花の病室辺りの窓灯りを見上げてみたが、全てブラインドでシャットアウトされており、中を確認する事は出来なかった。


オレは、病院の駐輪場から自転車を取り出した。



『明日・・・また来よう・・・』



心の中で、樹花の病室の窓を再び見上げながらそう呟いた。


樹花と話しは出来なかったが、オレの心は完全に浮かれていた。


なにせ『あの』ハルと再会できた喜び。


その幸福感にオレは完全にハマっていた。


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