≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
ウチの社長は取引先との『打ち合わせ』とか『接待』とかの名目で、とにかくよく飲みに出掛ける人だ。


オレも度々誘われてはいたが、もともとそういう誘いに乗る事は好きではなかったし、樹花の見舞いの事もあり、出来るだけ残業を優先して徹夜して仕事を終わらせる。

そうして樹花に会いに行くという行動をとっていた。



だがしかし、オレが主役の飲み会となると、さすがに出席を辞退するわけにはいかない。



今日は元々定時に終わるつもりではいたが、それは樹花に会いに行くためだったのだが・・・



「まっ、オマエもたまにはいいだろう。カノジョの見舞いも大切だけど、これも一つの社会勉強だと思って、今日だけは空けとけよ!」



竹田さんの言うとおりだ。


人間はやはりバランスというのが大事だ。


一つの事にばかり偏っていたら、それがいつからか、ただの『執着』になっている事に気付かない事がある。



「分かりました。今日は覚悟決めました!でも、竹田さんも最後まで付き合ってくださいよ!オレ慣れてないんで!」



一応、竹田さんだけには後方支援をお願いした。



「ハハ・・・、ただの飲み会だよ!気にしすぎ!!」



竹田さんは、マウスをカチャカチャとクリックさせながらオレに応えてくれた。

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