≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
医師のその言葉に、山田と絵里香はほんの少し後ずさった。



バンッッッ!!!



という音と共に軽く由利絵の身体は宙に弾んだ。

その光景を目の当たりにして、絵里香は泣き叫んだ。




「やめて!やめてぇえ!!ママが死んじゃう!!死んじゃうよぉ~!!!あ~ん!!」



絵里香はとうとう子供のように泣き出した。


やっと立っている絵里香の肩を山田は後ろから両手でグッと掴んだ。


山田も今は・・心を空っぽにするしかなかった・・・


何かを見たり、考えたり、聞いたりする事から

逃げられるものなら逃げたかった。




目が覚めたらすべては夢・・・




今がその瞬間なら、どれだけ神に感謝するだろうか



しかし、そんな夢のような瞬間はとうとう山田と絵里香の元にはやってこなかった。







ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッッ





< 8 / 348 >

この作品をシェア

pagetop