≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「・・・だろ?!最近の徹夜仕事も、今日定時で帰るつもりで頑張ってきたんだけどもさ!それがさ~・・・

『今日は友達が祝ってくれるってー』

なんてカンジでさ、

『シュンちゃんには今度お祝いしてもらうねー』

って言われたんだよ!

これ、どー思う?!」



どう思う?



「そりゃぁ、リカさんヒドイですよ!
竹田さんがせっかく今日のために、毎日残業してたのに、
友達を優先するって!

・・・しかし、その友達とやらも気が利かないですね。

リカさんに竹田さんがいるって、知らないんですかね!」



「そーなんだよ・・・
オレ、リカの友達には殆ど会ってると思ってたんだけど、
今日、祝ってくれるのはオレの知らない人!って言うんだリカのヤツ!」



「なんなんですかねー、ソレ!」



オレも竹田さん同様、眉間にシワを寄せた。



「アイツ・・・リカの奴、他にオトコが居たりして・・・なんて考えたらさ、
なんかプレゼント買う気も失せてさぁ、なんか、全てにやる気が起きないんだよな~・・・」



「確かに・・・そーいうのが気になると、仕事も手に付かないの・・・分かりますよ・・・」



オレも一応は、樹花の手術の前後は心配で、仕事が手に付かなかった経験があるので、竹田さんの気持ちも判らなくはなかった。


オレの発言に、竹田さんはフーーーッと溜め息をついた。



「ねぇ、クロス理論って知ってる?」



突然、オレと竹田さんの背後から話しかけてきたのは営業事務のノゾミさんだった。




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