≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

ノゾミさんは、オレたちの後方から空いてるチェアーを見つけると、スッとオレたちの方に移動させ、そこにストッと座った。



「クロス理論って、お互いがお互いの事を思いやった時に出来る、スレ違いの事よ!」


「???」


返す言葉浮かばず。


「お互いが思いやるのに、なんでスレ違うの!」


半分腹立てながら応えたのは竹田さん。



「たとえばね、カップルなんかがしばらく付き合ってると、相手の慣習とかクセとか好みとか、少しずつ分かってくるでしょう?」



ウンウン。



「そんな2人が待ち合わせをしたとします。それでね、待ち合わせ場所にレストランを選んだとするでしょう?」



ウンウン。



「で、それが特に大切な日ならお互い『遅れちゃイケナイ』って思うわけ!」



ウン。



「特別な日だからこそ男性は女性のために早く来て待っていられるよう、ウェイティングバーのあるレストランを予約してたりするの。そこで30分くらい前から来て、恰好よく女性を待ってるわけ!」



はぁ。


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