≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
既に電気ショックの機械を置き、医師による心臓マッサージが開始された。






何分が経っただろうか・・・




医師が汗だくになって、心臓マッサージを行っている。




「山田さん!!ハァッ…戻っておいで!…まだ逝ったらいかんでしょうが!!ハァハァ…ほら!絵里香ちゃんもいるでしょう。…戻ってきなさい!!」



医師が懸命に動かなくなった患者に話しかける。



絵里香は認めたくないながらも、それ以上母親の身体を激しく揺さぶられたくなかった。



それよりも早く、母親の手を握りたかった。



死を認めたくはないが、早く医師にどいてもらいたかった。




「せんせい・・・・」




口を開いたのは山田だった。




「せんせい・・・。もう・・・いいです・・・・。もう・・・ゆっくり・・・眠らせてやってください・・・」



山田の言葉の最後は涙声でほとんど聞き取れなかった。


しかし、その言葉に医師は、由利絵に行っていた規則的な運動を中止した。


そして、手元の腕時計を確認した。




「午前0時15分・・・ご臨終です」



< 9 / 348 >

この作品をシェア

pagetop