≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

さらに辺りを見回すと、店内は結構お客が入っていた。


時折テレビで拝見する野球選手なんかも来ている。



『へぇ~・・・』



繁盛しているお店の『売れっ子』ねぇ・・・



社長の隣にベッタリと座り、時折社長がオレに振ってくる会話に、

ハルは他人行儀な視線でオレを見つめた。



オレの中で、ハルがこんなにも演技派だとはかなりの驚きだった。


目の前のハルは、今は完璧な『他人』を演じきっているのだ。


贔屓にしてもらっている社長の部下が、元カレだったと気付かれたくないのは分かるが、

別に普通に『同級生でした』くらい言ったっていいだろ!

というのがオレの本音。


ハルの反対側から違う女の子がさっきからペチャクチャ喋りかけてくる。


話しにほとんど興味はなかったが、ハルの方を見なくて済むので、その子の話しに相づちを打っていた。



「今日はお祝いなんでしょう~♪お祝いって言ったら、シャンパンですよねぇ~?」



・・・オレに聞くな。


支払いに関わる発言権は無い!





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