あたしだけの年下様
「…暗いからちょっと怖くて
……山田くんは、なんで…?」
「こんな何もないところで転ぶやつ一人で帰せるわけねえだろ」
「…………ありがとう」
やっぱり優しい。
「ほら」
山田くんはあたしに手を差し出したけど、あたしはその意味がよく分からなかった。
「…?」
「足、痛いんだろ」
「…え、うん」
「早くしろ」
……もしかして、
あたしが足痛いの分かっててくれてるから、
手、繋げってことなのかな…。