狂愛ゴング
◆
自分の性格のことを、私は自分でよくわかっている。
負けず嫌いで向こう見ずで、手も口も早い。
そのせいで今までどれだけ苦労したことか。自業自得といえばそれまでなのだけれど、だからこそ、私は高校ではおとなしくしておこうと思っていたのだ。
もちろん、ウワサはそうそうなくならないと知っている。
現に高校でも私の今までの問題は大体の人が知っていることだろう。
それでも、1年半、私はなんの問題も起こすこと無く過ごしてきたっていうのに……。
放課後になって、もう体力も精神力も限界に達して机に頭を乗せてため息を一つ落とす。
「ほんっと、澄は面白いわねー」
「笑いごとじゃない!」
「あははははは、自分で言ったくせに。いいじゃん、私そういう澄が好きよ」
泰子は稀有な人間だ。
中学時代、殆ど友達のいなかったけれど、泰子だけはいつもこうして私を笑ってくれた。一緒にいて楽しいとか、そんな澄が好きだと、ずっと口にしてくれた。
泰子もなかなかの変わり者だと思う。
友達は少なかったけれど、泰子がいてくれたから、他にも話しかけてくれる子はいた。幸いひとりぼっちで過ごすようなことはなかった。
「ねーねー澄! あの新庄と付き合ってるってマジ?」
1年のとき同じクラスだった女の子が教室に乗り込んでくる。
朝からずーっとこんな調子だ。顔見知りの女の子はみんな私に聞きに来るし、話したこともない人までもが私のことを見に来る。
『あのウワサの女と、あの新庄が付き合うらしいぞ』
そんなことを話しているのだろう。
あああああああもう! なんでこうなったんだ!
人から注目されてよかったことなんてほんっと一度もない。
自分の性格のことを、私は自分でよくわかっている。
負けず嫌いで向こう見ずで、手も口も早い。
そのせいで今までどれだけ苦労したことか。自業自得といえばそれまでなのだけれど、だからこそ、私は高校ではおとなしくしておこうと思っていたのだ。
もちろん、ウワサはそうそうなくならないと知っている。
現に高校でも私の今までの問題は大体の人が知っていることだろう。
それでも、1年半、私はなんの問題も起こすこと無く過ごしてきたっていうのに……。
放課後になって、もう体力も精神力も限界に達して机に頭を乗せてため息を一つ落とす。
「ほんっと、澄は面白いわねー」
「笑いごとじゃない!」
「あははははは、自分で言ったくせに。いいじゃん、私そういう澄が好きよ」
泰子は稀有な人間だ。
中学時代、殆ど友達のいなかったけれど、泰子だけはいつもこうして私を笑ってくれた。一緒にいて楽しいとか、そんな澄が好きだと、ずっと口にしてくれた。
泰子もなかなかの変わり者だと思う。
友達は少なかったけれど、泰子がいてくれたから、他にも話しかけてくれる子はいた。幸いひとりぼっちで過ごすようなことはなかった。
「ねーねー澄! あの新庄と付き合ってるってマジ?」
1年のとき同じクラスだった女の子が教室に乗り込んでくる。
朝からずーっとこんな調子だ。顔見知りの女の子はみんな私に聞きに来るし、話したこともない人までもが私のことを見に来る。
『あのウワサの女と、あの新庄が付き合うらしいぞ』
そんなことを話しているのだろう。
あああああああもう! なんでこうなったんだ!
人から注目されてよかったことなんてほんっと一度もない。