狂愛ゴング

「中学の時はいじめの主犯格の女の子を泣かせて、いじめられて、仕返しして大げんかして危うくいじめしてたのは澄、になりかけたんでしょ?」


あれは危なかった。
危うく退学させられる勢いだった。

いじめっ子の胸ぐら掴んだせいで、その時勝手に転けて怪我したことすらも私のせいになったんだから。

そのあとは私をいじめの主犯格だと決めつける校長とケンカして、頭突きして。

学年主任の先生が止めなかったら多分卒業出来なかっただろう。
あのときもお母さんが絡んでえらいことになった。

あ、思い出してもむかつく。

結局その女の子には土下座させて、校長にも家まで菓子折り持ってこさせたけどね。


「道ばたで男の子とケンカになって警察騒ぎになったとか、やくざに追っかけられたとか? なんなのその学習能力の低さ。すごいよね。まぁ、でも今まで新庄と関わらずに過ごせたのは成長かもね!」

「その1年半が1日で水の泡よ……」


そう答えると、泰子は腹を抱えて笑い始める。


「この1年半理不尽な上級生と食堂でケンカしたり、他校の生徒と道端で小一時間程口げんかしといて……水の泡ってほどじゃないでしょ」

「今まで私からすれば表彰もんよ」

「あははははは!」


なにがおかしいのよー!
ちょっとはいたわってくれてもいいんじゃないのー!?

確かに私だって、泰子と同じように思うことは多い。

はいはい言ってニコニコしてりゃあいいものを……。一度キレてしまうと先のことを考えもせずに動いてしまう。っていうか考えることが出来なくなってしまう。

挙句に後悔したって、言ってしまった手前逃げるのもいやだと思ってしまい真っ向正面からこれでもか、ってくらいぶつかって大騒ぎになってしまうことくらい。

騒ぎを100倍にするのが私の特技だ。

自慢になんねーよ!
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