狂愛ゴング
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購買でパンを三つ買った新庄は、そのまま裏庭に向かい、制服のまま地面に腰を下ろした。
そして私はと言えば……その新庄の目の前に座ってしぶしぶお弁当を広げる。
……なんでこんなことになっているのだろう。
なんで、私が新庄と向かい合ってお弁当を……。
あのまま、売り言葉に買い言葉のようにして、一緒に食べる羽目になってしまった……。この男も相当の負けず嫌いだな……。迷惑な。
にしても、こんな場所で食べることになるとは思わなかった。
裏庭の、校舎近く。だけど、木が茂っていてあまり校舎から見えないっぽい。少なくともこちらからは見えない。
そして人が来る気配もない。
新庄がこの前、彼女とケンカした場所だ。言い換えれば私と新庄が出会った場所。わお、思い出の場所ですね! 今すぐこんな裏庭潰してしまえ!
「なにそのちっけー弁当。無駄にダイエットでもしてんの? しかもなんでオレンジジュースなんだよ。米に。気持ちわりいな」
「……無駄にってなに。別にそんなんじゃないわよ、普通だし。あとオレンジジュースはデザートよ」
私の取り出したお弁当とジュースを見て、新庄が信じられない、と言いたげな顔を見せた。
自慢げに大好きなオレンジジュースを掲げて答える。
ちなみにこの学校の自販機にあるオレンジジュースは私の知っているオレンジジュースの中では頂点よ!
私の言葉に、パンをほおばって「ふーん」と興味なさ気に呟いた。
……興味ないなら聞くなよ。
せっかく教えてやったのに。
「そういやお前、あいつにブスって言われたんだって? あいつおもしろいところあんじゃねえか。惜しいコトしたな」
黙れクズ。
なにも面白くないわよ!
そう思うなら私に土下座でもしてあの女の子の所に行けばいいのに。のしつけてあげるわよ。のしにリボンも巻いてあげる。和洋折衷が、でたらめのあんたにはお似合い。ちなみにのしは、お供えののしね。