あたしの仮旦那は兄貴の親友
あいつがダイニングテーブルをコツコツと叩いた
あたしは「わかった」と答えると
学生鞄を置いてある寝室に向かうフリをした
どうして言っちゃうんだ、花音
内緒してしてて欲しかった
あいつには知られたくないのに
あたしはサンダルを足に引っ掛けると
家を飛び出した
非常階段で一気に駆けあげると
花音が兄貴の家に来ているのを願って
兄貴の部屋のドアをあけた
ずかずかと兄貴の居間に入って行った
「花音! 婚姻届のことを話しちゃったでしょ」
あたしは居間のドアを開けると
ソファに座って兄貴の帰りを待っている花音に
大きな声をぶつけた
「言ったよ
久我先生も知った上で話し合いするべきだって
思ったから…」
「良くないよ!
きっと流産したことに
責任を感じていると思う」
「責任をとりたいって
言ってるなら
とらせてあげなよ」
花音がにっこりと笑う
駄目だ
責任をとる必要なんてないんだ
あいつは好きな人と一緒になって
幸せになるべきなんだって
あたしは「わかった」と答えると
学生鞄を置いてある寝室に向かうフリをした
どうして言っちゃうんだ、花音
内緒してしてて欲しかった
あいつには知られたくないのに
あたしはサンダルを足に引っ掛けると
家を飛び出した
非常階段で一気に駆けあげると
花音が兄貴の家に来ているのを願って
兄貴の部屋のドアをあけた
ずかずかと兄貴の居間に入って行った
「花音! 婚姻届のことを話しちゃったでしょ」
あたしは居間のドアを開けると
ソファに座って兄貴の帰りを待っている花音に
大きな声をぶつけた
「言ったよ
久我先生も知った上で話し合いするべきだって
思ったから…」
「良くないよ!
きっと流産したことに
責任を感じていると思う」
「責任をとりたいって
言ってるなら
とらせてあげなよ」
花音がにっこりと笑う
駄目だ
責任をとる必要なんてないんだ
あいつは好きな人と一緒になって
幸せになるべきなんだって