あたしの仮旦那は兄貴の親友
あたしはきっとまわりの人間に
恵まれているのだろう

15歳で妊娠したら
大事になるはず…

なのに
あたし一人でじたばたと暴れているだけで

誰も何も突っ込んでこないのだから

それがまた寂しいとか思ってしまう
あたしはきっと我儘なのかしれない

「果恋ちゃん、日直の仕事終わった?」

「あ、花音! 終わったよ」

入学式の日に知り合った花音が
あたしの肩を叩くと可愛い笑顔を見せてくれた

ほっと肩の力を抜いたあたしは
花音に抱きつく

「ああ、しんどかったぁ
日誌書くのが面倒くさーい」

「果恋ちゃんらしい発言」

「だって字を書くのが面倒じゃん
文章を考えるのも嫌だし
あー、嫌だイヤだ
なんで日直っていう役割があるのかが不思議!」

「でもさぁ
果恋ちゃんのクラスは皆
日直をやりたがってるって聞いたよ」

「担任がイケメン教師じゃねえ
お近づきになりたいんじゃありせんか?」

「果恋ちゃんは?」

「あたしがイケメンごときに
胸を高鳴らせると?」

花音がくすくすと肩を揺らして笑う

可愛いなあ…花音は

見るからに女の子って感じでさ
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