あたしの仮旦那は兄貴の親友
カフェで向かい合わせに座ると

あたしはじっと
女性の整った顔を見つめた

スッと通った鼻筋に
はっきりした目

つるつるの肌が輝いていて
ああ『女』とはこういうもんだ

なんて親父くさい発言を心の中で呟いた

「あなたは知らないと思うんだけど
久我誠也さんとお付き合いしているの」

「はあ…」

『している』とは現在進行形か?

今も付き合いがあるのか?

まあ、細かいことはいっか

「あなたが16歳になったら、結婚するって言うのよ」

「あ…はい」

あたしはこくんと頷く

妊娠してるから
法的に許される年になったら
入籍したいって
あいつが言うから…

「でも…私ね
誠也さんの子を身ごもっているの」

「え?」

妊娠?

この人も?
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